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as applicable [単語・表現]

企業の法務部員だった頃、as applicableをas the case may beと同様に「場合に応じて」と訳していた記憶がある。例えば、"If..., this Agreement may be terminated by AAA or BBB, as applicable" といったセンテンスなら、「…場合、本契約は、場合に応じてAAAまたはBBBが終了させることができる」としていた。

なぜこのように訳していたのかは憶えていないが、たぶんそれなりの根拠があったのだと思う。検索すると、少数ではあるが、そのように訳している例もある。

しかし、利用できる辞書、参考書等で改めて調べてみたところ、as applicableについて説明しているものは、ほとんどなかった。唯一、英辞郎on the WEBが「規定通りに」という訳を載せているが、どのような文脈に使われるのかよくわからない。

as applicableをweb検索すると、このフレーズの意味について質問している英語のページがいくつかヒットするので、外国の非英語ネイティブ、あるいはひょっとすると英語のネイティブにとっても、正確な意味をつかみにくい表現なのかもしれない。

文法的に分析すると、これはif necessaryやas appropriateなどと同様の省略表現ではないかと思う。『(改訂三版)英文法解説』の404頁には、「it is/wasの省略」という項目に「この場合のitは主節の内容を表す」との記述があり、以下の例文がある。

I'll check the list if (it is) necessary/possible. (必要ならば/できれば、リストをもう1度チェックしよう)

これと同様であれば、"as applicable"は"as it is applicable"を省略したものということになる。直訳すれば、「(主節の内容が)適切なものとなるように」ということだろうか。

最初に挙げた例文のようにorでつながれた名詞などの後に使われる場合は、as the case may beと同じように解すべき場合が多いと思う。それ以外の場合には、「個々の状況に合わせて行動するさま(スーパー大辞林 3.0)」という意味がある「適宜」という訳語が概ね適切ではないかと思う。


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