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have until ... toとhave ... to [単語・表現]

have until (日時) to...とは、「(日時)までに…を行う」といった意味らしい。私がこの表現を契約書でみたのは2回だけである。いずれも同一企業を一方当事者とする契約で、同じ弁護士が起案したものと思われた。うち1つは以下のような文であった。

AAA shall have until the Closing Date to respond to BBB.

いずれの契約も全体的にきちんとした英文で書かれていたと思う。しかし、その頃は不勉強なためこの言い方を知らず、今から考えると大変恥ずかしいことであるが、間違いではないかとコメントしてしまった記憶がある。

この表現は検索するとかなりヒットするので、英米では珍しいものではないようである。しかし、手持ちの英和辞書でこれについて説明しているものは見当たらなかった。インターネット上では、以下のページを含め、この表現について論じているページがいくつかあった。

http://resilience0128.blog100.fc2.com/blog-category-4.html
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3746316.html

同じような表現として、デンマークの言語学者イェスペルセンが著した『文法の原理〈上〉(岩波文庫)』の「語群」という見出しの項(P256)に以下の例文が載っている。

You have till ten to-night. (今夜の10時まで待ってやる)

この文は『現代英文法講義』の「3.2 目的語」の「⑧前置詞句」の項(P35)でも引用されている。出典はスチーブンソンの『宝島』らしい。

上は目的語の例だが、前置詞句が主語となる場合の例も、『現代英文法講義』と『ロイヤル英文法』で紹介されている。以下は『ロイヤル英文法(改訂新版)』の「§322 前置詞つきの句の用法」のうち「3 名詞用法」(P670)にある例文の1つである。

After school is the busiest time at Mr. Stone's shop. (学校が終わってからがストーンさんの店の一番忙しい時間である)

私は文法にはあまり明るくないが、要するに前置詞句が名詞句のように機能する場合があるということらしい。そして、until (日時)やtill (日時)といった句がhaveの目的語となったときは、その日時がある行為を行う期限となるということのようだ。

ところで、そのようなhaveの用法としては、have (期間) toという表現もあり、こちらの方が契約にはよく出てくると思う。例えば以下のようなものである。

In such event, Seller shall have 30 days to provide written notice to Buyer.

この猶予期間を意味するhaveの用法も、調べた限りではどの辞書にも出ていないのは不思議である。


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